ブックタイトルFのさかな30号 飛魚(とびうお) 2014年 冬
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日本のさかな文化を能登から発信するフリーマガジン
数馬酒造株式会社〒927-0433 石川県鳳珠郡能登町宇出津ヘ-36TEL:0768-62-1200 FAX:0768-62-1201■定休日 第2・4日曜日 年末年始■営業時間 8:30~19:00(土日祝祭日は18:00まで)http://chikuha.co.jp/index.html★日本酒業界 奥能登最年少社長ブログ~能登を世界へ~★http://ameblo.jp/kaichi-fake/ 戦した年に、品質検査で特等がつく快挙を成し遂げた。県内唯一「水田環境特A地区認定」の水田で、「無農薬・無化学肥料」栽培した酒米は期待を裏切らなかった。 若者を巻き込む取り組み もうひとつ、〝Nプロジェクト?という、学生がプロデュースする学生のための酒造りがある。地元の若手農家と学生団体運営会社社長とコラボして、耕作放棄地を耕し、田植え、稲刈りからお酒ができるまでを体験してもらい、自分たちが飲みたい日本酒を商品化するという面白い取り組みだ。 「20歳になって初めて飲む日本酒の一杯目」として飲んでもらいたい。飲酒の人口を広げたい。特に若い人たちにもっともっと目で、味で、近寄って飲んでもらいたいという思いからできたもの。 「純米酒1升飲むと畳2畳分の田んぼが救えます。田んぼが死んでしまうと生態系が崩れます。世界農業遺産『能登の里山里海』の景観を保持するためにも耕作放棄地の削減に一緒に取り組もう」という二つの思いが込められている。 他にも、食卓からママを元気に!「くらママプロジェクト」や、酒蔵と神社をメインにした女性向けツアー「聖地巡盃」、「agreen 交流」「奥能登清酒学校」など、ちょっとのぞいてみたくなるような多様な取り組みに忙しい。 思いがけないオファー 今までの人生の中で最大かつ最高の栄誉ある出来事があった。 世界最高峰の食の祭典『マドリッドフュージョン2014』(2014年1月27?29日開催)に参加したこと。 有名な福島県『大七』、山口県『獺祭』、長野県『真澄』に並んで数馬酒造の『竹葉』が日本を代表する酒として初参加。 思いがけないオファーが来た時は、涙が出る程うれしかったそうだ。 意外にも会場までは一人旅だった。英語もおぼつかず、一人での渡航は無事に現地へ辿り着けるかと心配しきり。一流シェフの面々が揃う祭典は、学ぶ事が多くとても貴重な時間だったそうだ。 その当時を語った体験記は、伝農浩子さんのブログ「伝々の日本酒縁側便り 酒日和、SAKE巡り」2014年3月2日(http://denden.sakefan.net/)で見ることができる。 在学中、成功者の著書を広く読みあさって彼らに共通してあるものは「情熱」だったと気づいたそうだ。そういう数馬社長も日々情熱的に飛び回っている。 数馬社長の挑戦の日々は自らも周囲にも学びをもたらしどんどん成長する。そして若いリーダーとベテラン蔵人たちが奮闘し醸し出す数々の酒は、飲み比べたくなるほど、どこかわくわくして待ち遠しい。数馬酒造の理念が溶け込んだ100%能登産の日本酒は、これからもずっと幸多いうまい酒だ。左/「マドリッドフュージョン2014」でのセミナー風景。壇上の緑の法被姿が数馬社長。中/「マドリッドフュージョン2014」日本酒ブースに多くのシェフが試飲に訪れた。右/初めて収穫した酒米、五百万石米を手にする数馬社長(左)と生産者の裏 貴大(右)さん。数馬嘉一郎1986年8月6日生まれ。玉川大学経営学部国際経営学科卒業。東京の人材コンサルティング会社を経て、2010年に家業の数馬酒造株式会社5代目代表取締役に就任。2014年1月に世界最高峰の食の祭典「マドリッドフュージョン」に参加、単身スペインへ。若い感性で新境地を開く日本酒業界のホープとして注目されている。下/杉玉・酒林新酒ができたことを知らせる目印。新酒の頃は緑色。茶色に変化すると熟成酒の飲み頃。?リキュールファンならチェックしたい能登で最初に梅酒を造った蔵という歴史の香りも醸す「梅酒」と、『マドリッドフュージョン2014』最終日のディナーでカクテルになった「ゆず酒」。25 Fのさかな Vol.30