ブックタイトルFのさかな30号 飛魚(とびうお) 2014年 冬

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概要

日本のさかな文化を能登から発信するフリーマガジン

《監修協力》石川県水産総合センター  《参考及び引用文献》「現代おさかな事典」山本保彦:編纂/㈱NTS、「からだにおいしい魚の便利帳」藤原昌高:著/高橋書店、ウィキペディアhttp://ja.wikipedia.org/wiki/トビウオ、「トビウオ/飛魚/とびうお:旬の魚貝百科」http://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fish/tobiuo.htm、「日本の旬・魚のお話 飛魚」http://www.maruha-shinko.co.jp/uodas/syun/27-tobiuo.html、「旬魚余話vol11トビウオ」http://www.shinkokai.co.jp/shun/merumagaBN-new/mel-text11_tobiuo.html、「台湾光華雑誌サイト トビウオとカヌーの島 蘭嶼」http://www.taiwan-panorama.com/jp/show_issue.php?id=200289108040j.txt、「海生研コラム沿岸潮流(その7)あごの話」http://www.kaiseiken.or.jp/column/index07.html、「飛魚・トビウオ・フライングフィッシュ~海面を滑空する不思議な魚~戸板女子短期大学」http://www.toita.ac.jp/department/food/healthy2/20066.html トビウオの旬は、産卵期を迎える夏。 そのため、夏に店頭に並ぶものには卵を持っていることが多いのです。 脂肪分が少なく高タンパク質な食材で、老化を防ぐセレンの他、マグネシウムや銅などのミネラル、またビタミンEやナイアシンを豊富に含んでいます。 江戸時代に著された魚介事典「魚鑑(うおかがみ)」には、「難産は黒焼きを粉末にし、酒にて服す。また、妊婦常に食うてよし、また、鰭の黒焼きを乳のしこりにつけて妙なり」と書かれており、昔は妊娠や乳がんに効くとされていたようです。 刺身や塩焼き、フライなどで食べられますが、脂が少ないためにカレイなどのようにふっくらと仕上がらず、一般的にはあまり煮付け向きではないとされます。 また全体に小骨が多いため、ハモと同じように骨切りをして調理するとより美味しくいただけます。 ところで、トビウオは昔から日本人に親しまれてきた魚。 そのため、各地方にトビウオを使った名産があります。 鳥取県や兵庫県ではトビウオを原料にしたチクワ「あごチクワ」、島根県ではチクワに似ているのですが作り方が異なる「あご野焼き」。 八丈島や新島ではクサヤ、房総半島では「なめろう」が有名です。 能登半島や西日本各地ではトビウオを干した「あご干し」、山形県でも似たような作り方の「焼き干し」が昔から作られています。 高タンパク質なトビウオの身は、干している間に熟成が進み、味噌汁や蕎麦つゆなどのダシにすると格別の味を醸し出します。 江戸時代の百科事典「本朝食鑑」にも「生食は良くなく、乾魚は味がよい」と書かれているほどです。 ちなみにトビウオの卵を塩漬けにしたものはトビコと呼ばれます。 透き通った黄色(金色)の粒々は皮が固く、噛むとプチプチとした食感を楽しめます。 珍味や軍艦巻きの寿司ネタとしてもお馴染みですね。 黒っぽく着色したものはキャビアの代わりとして使われることもあるそうです。 ちなみに、店頭でトビウオを買うときは、目がくっきりと澄んでいて、うろこが光り、背側の青色が濃いものを選びましょう。 胸びれがしおれていたりするものもよくありません。トビウオの味覚12